
CHRISTMAS PRESENT SHORT STORY
彼女がクリスマスを嫌いな理由
正本ノン
女なら、誰でもプレゼントが大好きだ。
あげてよし、もらってよし、なんて、まるで通販のCMのようだけど。
もちろん、あげるよりもらう方が、ちょっと余分に嬉しいな。
だが、世のなかには、プレゼントの嫌いな女もいる。
どこに?
ここに!
というわけで、彼女は、クリスマスのシーズンが近づくと、憂うつだった。
冬の匂いもしないうちから、街のショーウィンドウには、色とりどりのリボンをかけた包みがうず高く積まれ、呼びかける。
「ほらね、ここに幸せがありますよ」

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