日本財団 図書館


インド・タイ訪問記

 

(財)海上保安協会常務理事
鈴木 勝
 
平成8年11月3日から16日までの2週間、海上保安関係経済協力基礎調査(日本財団、日本海事財団の補助事業)のため、インド及びタイヘ派遣されたが、その際両国で見聞した様子などを紹介したい。
両国とも日本とは伝統的に友好な関係にある国である。インドは第二次大戦後独立し、人口9憶、国土は日本の9倍という大国である。タイは人口6,000万、国土は日本の1.4倍、元首に国王を戴く王国である。
3日午後5時、首都ニューデリー郊外のインデラ・ガンジー空港に到着。運輸省から出向している廣瀬書記官のお出迎えを受ける。
調査は、廣瀬さんと防衛駐在官の平野さんにご同行をいただき、運輸省灯台灯船局、コーストガード、海軍水路局を訪れた。
最近の海上保安庁の国際化は目覚ましいものがあるが、最初に訪問した灯台灯船局で、灯台業務のことなどを伺った後、アチャルヤ局長が知人として海上保安庁関係者の名前を何人か挙げたのには驚いた。
水路局では局長のスリニバザン少将にお会いした。業務の説明を受けた後、財政削減の状況の中で収入の増加を図るため、大陸棚測量など他国の仕事を請負うことや、安い研修費でインドの水路学校に外国の研修生を受け入れることを考えているとの話があった。また、日本の電子海図の技術など高度な技術についての研修の希望や、インド水路局は海軍に属しているためJICAの技術援助を受けられないが、水路技術関係者は全てシビリアンであるので認めてほしい、との話もあった。
ニューデリーは、太い街路樹の多い比較的静かな雰囲気の町である。宿泊したホテルの近くを散歩したが、道路に横断歩道が無く、横切るのにかなりの勇気を必要とした。あまり遠くない所に、政府直営の物産店があった。店内には衣類、陶磁器、革製
 

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION