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ノルウェー印象記

 

(財)海上保安協会理事長
赤澤壽男
 
先進国の海上保安体制を調査するため、平成8年9月24日から11日間の日程でノルウェーとオランダを訪問した。
残暑がやわらぎ始めた成田を発ち、中央シベリアからフィンランド上空を経てスエーデンに入った。乗り継ぎのため降りたアーランダ空港は、ストックホルムの北方にあってアナウンスもなく大へん静かだったが、とう乗待ちの間に出発ゲイトが二度も変りその都度東ウイングから西ウイングヘ、また西から東へと歩かされた。予定通り午後五時過ぎにはオスロ・フォルネブ空港に到着、ノルウェー入りした。素晴らしい天気だった。
入国手続に向かう列の後ろについて見ていると、旅行者が入国審査官にちょっと片手を挙げたり、何かひとこと言ったりして流れるように通過していく。ほう、ここはフリーなのだと妙に納得してカウンターを通り過ぎようとしたそのときに、Passport pleaseときた。エッ?と思いながら提示したらThank youで即座に終った。
在ノルウェーの山川一等書記官に久し振りに会ってホテルヘ向う車中での話。……ノルウェー人には通常はチェックはしないようだ。彼らはノルスケだと言えばOKで……、言うだけで分るのかという疑問については、ノルウェーの担当官によると言いっぷりなどで直感的に分るそうである。それにしても成田とは違う。
話はかわりますがノルディックスキーの97年世界選手権は、ノルウェー最初の首都が置かれ歴史的な見どころが多く残っている同国第三の都市トロンハイム市(人口約14万人)で、10日間にわたって開催され3月2日に閉幕した。スポーツ記事によると伝統国ノルウェーが雪上で11個の金メダルを獲得し、興行的にも収支バランスする見込みだというのはすごい。日本のノルディック大会では考えられないような盛況だったそうである。有料入場者は30万人を超え、林の中の無料観戦組を加えると毎日5万人以上が詰めかけたことになり、期間中街にはスキーがあふれ、電気店や靴店に年代
 

 

 

 

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