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上海雑感

 

在上海日本国総領事館
領事 福島基記

 

昨年4月末に赴任し、早や1年と4ヵ月が過ぎようとしています。
赴任当初は、ホテル住まいをしながら家探し等生活基盤をまず固めるところから始まりました。約2ヵ月のうちに住まいを見つけ(少なくとも日本と同じレベルの生活(設備面・安全面等)を確保しようとすれば、外国人向けの住宅を探さねばならず、その意味では日本人だけでもここ毎年1.5倍の勢いで増加(95年10月1日現在在留届出邦人3,679名:実質は5千人以上滞在していると思われます。)している上海においては非常な住宅難なのです。)、必要生活物品等も購入し、ようやく落ち着き家族を呼び寄せることもでき、やっと自分の生活を持つことができたように思います。
それとともに仕事の方も徐々に慣れてきまして、少しは周りの様子にも注意を払える若干のゆとりもでてきました。
そこで、今回とりあえず赴任の報告としまして、上海市の概要と上海でかいま見て感じたことを思いつくままに書き記してみたいと思います。
1 上海市の概要
(1) 上海市は中国の東海岸中部、揚子江(長江)の河口南岸に位置しており、長江の三角洲沖積平原で、西部に海抜100m程の丘陵があるほかは地勢は極めて平坦で、平均海抜高度は4m、「南船北馬」と言われるように、水路が発達しています。
東経122度、北緯31度で、鹿児島市とほぼ同緯度に位置しており、面積は6.341k?でほぼ東京都と埼玉県を合わせた広さで、都市部は351k?、その他は農村部となっています。抽出サンプル調査によると、1994年末の上海市人口は1,356万人で重慶に次ぎ中国第二位の大都市です。
(2) 気侯は、亜熱帯に属し温暖湿潤で四季がはっきりしています。日本と比較すれば、夏と冬が長く、春と秋が短く、夏は太平洋高気圧の影響下に入るため、南東風が多く蒸し暑くなります。冬季はシベリア・モンゴル方面にある高気圧の影響で、空気

 

 

 

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