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就任挨拶

 

米国沿岸警備隊極東司令部司令官
Captain Joseph P.Brusseau
(ジョゼフ P.ブルーソー大佐)

 

 

こんにちは。私が米国沿岸警備隊極東司令官となってからそんなに時間が経過していませんので、海上保安庁職員の皆様とお会いする機会もまだ多くはありません。近々皆様にお会いできるよう希望しているところですが、今回この「コンパス」誌上で皆様にご挨拶できることになり感謝しています。
「どうして日本に米国沿岸警備隊があるのか。どうして海など見えない横田米国空軍基地に事務所があるのか」と何度も訊ねられています。最初の質問への簡単な回答は、米国沿岸警備隊は世界中の海事関係事項に強い関心があり、特に海上保安庁との緊密な関係を維持することに関心があるということになります。これまでの歴史を説明すれば我々の関心というのがよく分かると思います。また、それが2番目の疑問に答えるのに役立つでしょう。
米国沿岸警備隊は1950年代世界各地にロラン(LORAN=Long Range Aidsto Navigation)システムを建設し、運用してきました。ここ太平洋地域でも絶海の孤島にこのシステムの送受信局をたくさん設置しました。例えば、ヤップ島、マーカス島、フレンチ・フリゲート・ショール島、硫黄島などです。これらのロラン局を維持するためには職員の交代、食料・燃料・装備の補給など大変な努力を必要としました。事実、当時極東本部(FESEC)と呼ばれていた当司令部には、一時は、100名を越える職員が西太平洋におけるロラン局の補給と維持に従事していました。大量の機材と多くの職員がロラン局向け航空機により輸送されたのです。ですから、極東本部が横田米国空軍基地にある必然性がありました。横田は、極東本部の比較的大きなもう一つの大きな任務にも好都合でした。その任務とは極東における米国船籍の商船の船舶検査です。
最近、現地国がロラン局の運用を徐々に引き継いでいきましたので、極東本部のロ

 

 

 

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