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寄稿

 

フィリピン・チーム派遣「海土航路標識保守技術」事前調査の実施について

 

灯台部監理課航行援助システム企画室長
新田太久三

 

平成8年6月20日から29日までの間、本職他3名はフィリピン・チーム派遣「海上航路標識保守技術」実施のための事前調査団として現地に赴き、フィリピン側の航路標識保守整備等の現況調査及び実施計画案の協議等を行いましたので、本紙上をお借りして報告します。

 

1 はじめに
チーム派遣方式技術協力は、通称「ミニプロジェクト方式技術協力(ミニプロ)」と呼ばれ、複数の専門家(チーム派遣)を協力の核とし、小規模の機材供与及びカウンターパートの日本国内での研修を必要に応じ有機的に組み合わせ実施する技術協力をいい、本プロジェクトは3か年計画で次の事項を実施するものである。
(1) 長期専門家1名の派遣と毎年2〜3名の短期専門家の派遣による研修の実施
(2) 研修教材、研修用灯器等研修に必要な資機材の供与
(3) カウンターパートの日本での研修(毎年1〜2名)

 

2 プロジェクトの背景
フィリピンには、約430基の灯台が設置されているが、スペイン及び米国によって戦前に建設されたものが大半を占めており、機材の老朽化と保守・修理技術の未熟さ等によりこのうち約120基(約25%)が機能していない状態にある。このような状況の中で、毎年多数の海難事故が発生しており、航行安全確保の観点から、航路標識の保守・管理体制を改善することが急務となっている。同国政府はこの問題を解決すべ

 

 

 

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