日本財団 図書館


 

○ノルウェー国家汚染管理局

Norwegian Pollution Control Authority
Moloveien 7,3191.Horten Norway
Tel 447−33044161
O.K.Johansen(Senior Executive Officer)
ノルウェーにおける油汚染対応
1. 油汚染対応の背景と基本的な考え方
ノルウェーは1960年代半ばから、広大な範囲の大陸棚での石油の探査と産出活動により、巨大な石油産出国として成長してきた。その活動は苛酷な北海の気象海象の中で行われている。
大陸棚における石油に関する活動の増加に伴って、環境に深刻な結果をもたらす事故の蓋然性が増してきた。
ノルウェーでは年間平均して大小250の油汚染が主に船舶と貯油タンクから発生している。また、統計では1回に10,000トンを越える暴噴は、探査試堀井10,000本に1本しか発生していないことを示している。現在の探査試堀の状況から大規模な暴噴は200年に1回しか発生しないことになる。産出井についてみると、2,000カ所の産出井に対し毎10年に1回の割合で暴噴状態が発生する可能性があり、現在ノルウェーには約450力所の生産井があり計算上では40〜50年に1回大規模な暴噴が発生することになる。
油汚染対策に関する努力が推進される一因となった重大な事故が、1977年にエコフィスク油田で発生した。制御不能な大規模な暴噴事故で、1週間のうちに約23,850キロリットルが流出した。この事故を契機にノルウェー政府は汚染管理法を制定し沖合事業者に対して厳しい規制を課すようになった。
1977年以降沖合での活動による汚染は起きていない。
○流出事故に対する国の方針
ノルウェーにおける流出油防除の方針は、機械装置による方法を最優先する。そうして対応はできるだけ発生源の近くで行う。化学薬品(油処理剤)による方法は補助的手段と考え、機械的な資機材の能力をこえるときにのみ使用されなければならない。
緊急防除対応の目的は、海上と沿岸における生態系と経済に対するダメージを可能な限り軽減させることにあり、重点的な防除は次のものに向けられる。
○魚類、海鳥類、養魚場
○環境的に脆弱な沿岸地域
○経済的に重要な地域

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION