4. 調査結果
○ノルウェー事情
1 概況 (1) ノルウェーはヨーロッパ最北の国でスカンジナヴィア半島の西側を占め、国名はノルウェー語でNorge(北への道の意)という。8〜11世紀、ノルウェーはヴァイキング時代を迎え、その後、13世紀にはグリーンランド、アイスランド等を領土に加え一時は隆盛を誇ったが、ドイツのハンザ同盟による経済支配、黒死病の蔓延等により国力が大きく衰退した。 1380年より1814年までノルウェーはデンマークと同君連合を形成するが、16世紀にはデンマークの一地方となる。1814年にはデンマークからスウェーデンに割譲され同君連合をつくることとなるが1905年スウェーデンからの独立を達成した。しかし、第2次大戦中1945年まで5年間はドイツに占領されいくつもの町が破壊された。 (2) 国土は北緯58度から北緯71度にかけて南北に約1,750キロと細長く、その3分の1は北極圏に属し山がちである。国土の66%が不毛の地であり、耕作地は僅か3%にしか過ぎない。このため農業の発展は困難な状況に置かれている。太平洋に面し、フィヨルドにより天然の良港が多いため伝統的に海運、水産業が盛んである。また1960年代末より北海で本格的に石油が採掘され、石油生産が経済を支えるようになった。 気候は沿岸を流れるメキシコ湾暖流のおかげでその地理的位置から想像されるより穏やかである。北欧にも四季は見られ、春4〜5月、夏6〜8月、秋は9月、10月には早くも雪が降り長い冬になる。5月から8月にかけて日照時間が長くなり白夜の季節である。 (3) 人口は、約432万6千人(1993年)、人口密度は14人/km2で、アイスランドに次ぎ欧州で2番目に人口密度の低い国であり、首都オスロはその約1割、47万人が住んでいる。 2 政治 (1) 政治体制 立憲君主制で、元首はハラルド5世。憲法上行政権は国王に付与されているが、実際には行政権は内閣が行使し責任を負っている。 国会は変則一院制で、総選挙後の第一会期に互選により4分の1が上院に、4分の3が下院に分かれる。憲法改正、予算の議決、条約の承認及び一般的な国会報告は両院合同の本会議で行われる。議員の任期は4年で解散はなく、選挙制度は中選挙区比例代表制。現在のブルントラント労働党政権は、1981年に政権をとって以来、現在まで3回にわたって政権を担当してきており、穏健な社会民主主義による北欧型の高福祉高負担の福祉政策を掲げている。 (2) EU加盟国民投票
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