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沿岸域管理(仮訳) 参考資料1−11

 

沖合に横たわる島々を領土に持つインドの海岸線は、全長7,500km近くにもおよぶ、おそろしく長い海岸線となっている。この海岸線には、大きな広がりを持つよどみ、河口、ラグーン、湾、マングローブ、珊瑚礁、海草床など、多種多様な生息環境地勢が含まれている。最近では港湾、都市地域、企業、廃棄物処理システム、および水産養殖場がこれらのそれぞれを対象とした各種の「沿岸域規制」計画の進行とともに急速に発達し、その結果として沿岸域の人口が大きく増加している。
また、最近では国防関係の各種組織および民間の各種の組織において、海をその小規模/大規模ならびに潮流および温度の変動という側面から理解することの必要性が高まってきている。ここでは、地球温暖化に関する各種の研究、海岸線の変化、海面上昇、および海岸生息環境に対するその影響にスポットが当てられている。海洋予測モデルの利用および海岸線保護ならびに人口コントロールを目的とした海岸の局部的モデル化は、天気予想の有効性を改善するための気象学的研究における1つの重要な要素となっている。
海岸地域の海洋学的モデル化/試験には、多種多様なソースからの膨大な海洋データが必要とされる。例えば、XBT、CTD、マルチビーム/サイドスキャン・ソナーなどのようなセンサー、人工衛星データ、気象データ、潮流データ、汚染データ、音響データなどである。また、データのタイプも位置単位のデータ、地域単位のデータ、グリッド単位のデータとさまざまであり、さらに季節間におけるデータの時間的な変動も存在する。
最近は海岸生息環境、特に島、マングローブ、塩生草原、および海草植生が急速に開発され、水産養殖池へと姿を変えつつある。海岸生息環境の損失の度合いを指標で表すことは、過去のデータがほとんど存在しないため、困難である。熱帯の国々では、マングローブ植生域の損失が前農業地域(Pre−agriculture area)の50%を越えることが確実となっている。
海軍水路局は、科学機関および沿岸域規制当局による沿岸帯管理研究の実施を可能にする有用なデータをインド海域から収集することによって、これらの機関の研究に貢献している。これらのサービスは、インド海岸域ならびにEEZ/大陸棚区域で広く活躍する、最新の機器を装備したインド海軍測量船団によって提供される(この測量船団は現在も増強されつつある)。

 

 

 

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