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電子海図(仮訳) 参考資料1−10

 

航行の安全は、昔から船乗りたちの重要な関心事の1つである。現在では、ディジタル技術の進歩によって、航行の安全確保は昔よりはるかに容易になっている。
「電子海図表示情報システム」(ECDIS)は、航行の安全性および効率を改善するために設計されたインテリジェントかつダイナミックな航行情報システムである。ECDISはセンサーおよび装置からの各種船舶パラメタならびにさまざまな海図情報を統合し、多種多様な詳細情報の表示を行う。
「国際水路機関」(IHO)は、1980年以降導入されたさまざまなタイプの電子海図の使用を規制するため、ディジタル・データの収集・分配およびその表示に関する基準を規定している。また「国際海事機関」(IMO)は、システムの性能基準を規定している。ECDISへのさまざまなインプットの中で最もメインとなるインプットは、認可を受けた機関である「国家水路測量機構」(National Hydrographic Organisation)の作成する「電子航行図」(ENC)である。
主な機能としては、船舶位置の動的表示、危険要因に接近した時、あるいは装置誤動作時の音声−ビデオ・アラーム、座礁および衝突の回避、狭い海域での視界に左右されない操船、航行ルーチン・ワークの自動化、航行情報の自動更新などがあげられる。
船乗りたちはECDISの提供する膨大な可能性を評価し、既存の紙の海図より「電子海図」の方が便利だと証言している。現在では世界中の多種多様な水路測量機関が、船乗りたちのさまざまな要求を満たすべく、電子航行図の製作に追われている。
インド海軍水路局は現在、「インド政府水路局長」の指揮のもと、インド海域全体を対象として法的に有効な(とりわけ沿岸域に重点を置いた)電子海図を製作する特別計画を実行中である。また、「電子航行図データベース」(ENCDB)を作成するプロセス(我々の責任範囲をカバーする航行図のディジタル化を含むもの)もすでに開始されている。同局では、最初の「電子航行図」を近い将来にリリースすることを予定している。

 

 

 

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