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インド水路局(仮訳) 参考資料1−7

1996年11月
1. インド水路局の起源は17世紀、英国海軍の時代にまでさかのぼる。当時、この組織は紅海からペルシャ湾、アラビア海、インド亜大陸、さらにシナ海にまで及ぶ各種のプログラムの計画を行う、東インド会社という会社であった。東インド会社が解散となった後、「インド海洋測量局」が1874年にカルカッタにおいて設立されることとなった。そしてインドが独立すると、このインド海洋測量局は「インド海洋測量」として知られるようになった。インド海洋測量の本部事務所は1954年にDehra Dunへと移され、名称も「海軍水路事務所」(Naval Hydrographic Office)と改定された。1964年には、「水路局長」が「インド政府水路局長」(Chief Hydrographer to the Government)として再指名された。
2. 以下の点について説明する。
1)インド水路局の役割と任務
2)組織の構成
3)インド水路局の近代化
4)今後の課題
5)インド水路局の水路測量協力構想
3. インド水路局は、水路測量関係のサポートならびにサービスを商船隊に提供することを任務とする国家機関である。同局では、航海用海図、航行関係の刊行物、沿岸ゾーン管理図などを作成するための水路測量ならびに海洋学的調査を行っている。最近では、海洋活動の増加と経済自由化によって、水路測量および物理地球学測量も商業的な性格を帯びるようになってきている。
4. インド水路局の行っている測量は多種多様だが、大きく以下のように分類することができる。
(a)航海用測量
(b)海洋開発活動のための海洋学的出張調査
(c)海上国境の線引きのために必要とされる特殊測量
(d)パイプラインおよび海底ケーブルのルート計画
(e)海洋データ収集を目的とした契約べースの測量
5. インド水路局は現在、インド亜大陸全体をカバーする309の航海用海図を刊行している。「GEBCOシリーズ」、「デッカ・シリーズ」、および「Miscellaneous・シリーズ」の海図を入れると、同局の刊行している海図の数は385となる。これらの海図によって、インドの1級港湾11港、ならびに165の2級港湾および錨泊地が十分にカバーされる形になっている。1級港湾に関しては定期的に再測量を行っており、これら1級港湾に関する現在の海図は1985年以降に実施された最新の測量の結果にもとづいたものとなっている。同局では2級港湾および錨泊地についても、そのほとんどを近代的な測量技術を使って再測量しており、この結果として最新データを盛り込んだ102の大縮尺海図が刊行されている。沿岸航行に関しては、同局は西海岸およびアンダマン地域の全体をカバーする一連の1:150,000海図を整備している。さらに、西海岸と東海岸の両方を対象として1:300,000シリーズも整備されている。インド水路局では過去10年の問に、新しく得られた測量データを使って36の新しい沿岸航海用海図を刊行している。このように、インド近海については最新データにもとづいた海図がまんべんなく整備されている。

 

 

 

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