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? インドにおける調査

 

(?)現況

1. 概要

(1)地理
インド国は南西アジアのインド亜大陸に位置し、西にパキスタン、東にバングラディシュ、ミャンマー、北に中国、ネパール、ブータンと国境を接し南西側はアラビア海、南東側はベンガル湾に面している。
国土の面積は328万7263平方キロで、日本の約9倍に相当する。
地形的には北インドは、ガンジス及びヤムナー両大河の流域を中心として北はヒマラヤ山脈、西はタール砂漠、南はヴィンディヤ山脈に囲まれた広大な地域でインド最北のジャンムカシミール州を含んでいる。平野部では綿、小麦等を産出する。
東インドは、ヒマラヤ山脈からベンガル湾へ流れるガンジス河流域とチベットを水源とするブラフマプトラ河の流域の東部辺境州を含む地域で、平野部では米やジュートを産し、アッサム州は紅茶の産地として有名である。
西インドは、アラビア海に面した地域で大部分はモンスーン気候であるが、西北部は乾燥地帯である。東部から南部にかけては、肥沃な地域で綿、米、麦、砂糖などを産する。
南インドは、デカン高原より南の地域で中央部の高原地帯は比較的涼しくコーヒー、紅茶、香料、みかんなどを産し、海岸地方では米など穀物を産する。
(2)気候
インドの季節は大きく乾季、暑季、雨季の3つに分けられる。年によって多少異なるが、雨季は6〜9月で、南西からアラビア海の湿気を含んだ季節風であるモンスーンが吹き寄せる。この季節風がインドの大部分に雨をもたらす。特にヒマラヤ山脈沿いのガンジス河流域の中部から東、また南インドの西ガート山脈の西側に多量の雨が降る。南インドのベンガル湾沿いは東北モンスーンの影響を受け11〜12月に最も雨が多い。
雨季以外は乾季であり、特に11〜2月は冬で、北インドではかなり寒い。
また、3月末から雨季に入る前の約2ヵ月間が、1年で最も気温の上がる暑季になる。その後、雨季に入ると気温は下がる。
首都ニューデリーでは年間を通じて最も暑い6月は平均気温は34.5℃になり、乾季の1月には14.3℃に下がる。雨季には湿度が高く、8月の平均湿度は73%に達する。
(3)人口・人種
インドの人口は9億1,070万人(95年3月推定値)で、人種構成はインド・アーリア族72%、ドラヴィダ族25%、モンゴロイド族その他3%などである。
(4)言語
ヒンディー語が連邦公用語であるが、そのほかに憲法において14種類の言語(ウルドゥ語、ベンガリー語、テルグ語など)を州において使用することが認められている。英語(準公用語)の使用人口は2%程度であるが、知識階級での普及率は高い。

 

 

 

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