エームス試験用語集
1 塩基対置換型:DNA上の塩基が、被験物質の作用を受けて他の塩基に置換し、野生菌に戻る。(復帰する)性質を持つ変異菌株を言う(対応菌株:TA100.TA1535.WP2uveA).
2 フレームシフト型:DNA上の塩基配列が、披験物質の作用を受けて塩基が引き抜かれたり進入されたりして配列がずれて野生菌に戻る(復帰する)性質を持つ変異菌株を言う(対応菌株TA98.TA1537)
3 SOP:Standerd Operration Procedure:標準操作手順書.適切な試験の実施方法および実施手順を具体的に記載した手順書集.
4 SOP/AME/019:エームス試験(AME)の標準操作手順内容がSOPの19番目に記載されていることを示す.
5 S9:9000g and the supernatant(the S9 Fraction):酵素.
ラット等の哺乳動物の腹腔内にフェノバルビタール等の薬物を投与して代謝酵素系を誘導した肝臓をすりつぶし、9000gの遠心を行って得られた上清液を言う.エームス試験で用いられるサルモネラ菌や大腸菌には哺乳動物のような代謝活性酵素がない.そこで、これらの微生物に動物の代謝活性酵素を加えて披験物質を代謝して変異原性を調べるために用いる.
6 Cofactor:補酵素:S9だけでは足りない酵素を補酵素として加えて使用する.
7 S9mix:S9にCofactor(補酵素)を加えたもの.
8 トップアガー:軟寒天溶液にアミノ酸を加えたもので、菌株および被験物資等と混合してプレート上に重層する時に使う.
9 DMSO:Dimethyisulfoxide:溶媒:有機物を溶かし、なおかつ細胞毒性が低く水とよく混和する溶液.
10 陽性対象物資の試薬名:
1 AZ2:2-(2- Furyl)-3-(5-nitro-2-furyl)acrylamide
2 AZ1:Sodium Azide
3 9AA:9-Aminoacridine
4 BaP:Benzo(a)pyrene
5 2AA:2-Aminoanthrasene
11 試験菌株の遺伝的国勢検査項目:下記の特性を持つ菌株だけを試験に使う.
1 アミノ酸要求性:ヒスチジンまたはトリプトファンの要求性(要求菌株:5菌株共)
2 膜変異rfa特性:膜変異rfaは細胞膜のリポ多糖類の合成が出来ない菌株で、被験物資の透過性が高く、分子量の大きい物資を細胞内に入れることがせきる特性を持つ菌株、クリスタルバイオレットに対する感受性を調べることで判定する(特性菌株: TA100.TA1535.TA98.TA1537).
3 薬剤耐性因子:アンピシリンに対する耐性(対応菌株:TA100.TA98).
4 紫外線感受性:紫外線に対する感受性(対応菌株:5菌株共).