d 測定装置
温度測定:グラフテック社製 カードロガーHC1000 測定精度±1.0℃
質量測定:Mettler社製上皿電子天秤PM4000 測定精度±0.02g
光度測定:島津UV−3100 スキャンスピードMID スリット1.0nm セル100mm
2 自然貯蔵試験結果
(1)自然貯蔵試験期間中の減量の測定
次に運輸省交通安全公書研究所にて実施した自然貯蔵試験中の減量を測定した結果について表5−3に示す。
測定減量は1回あたり0.3〜0.8g程度であり、年間を通して3g程度であった。保存減量は換気栓なしの1)〜3)の場合、換気栓付きの4)〜6)に比べ減量は少ない。しかしながら、換気栓付きの4)〜6)でも年間を通して総保存減量は6g程度である。
年間を通した減量率(総保存減量及び総測定減量の和/試験開始時メタノール重量)は、2%程度であり自然貯蔵試験に対する減量による影響は非常に少ないと考えられる。
(2)自然貯蔵試験期間中の貯蔵庫内の温度の測定
試験期間を通し、試験庫内の温度がどのように変化したか調査した。温度の測定は、電子式の打点温度計を貯蔵用の箱の上に置いて行った。表5−4に結果を示す。冬期の最低温度は約0℃、夏期の最高温度は約35℃であり、関東以南の大都市の気温範囲にほぼ匹敵する条件で試験ができたと考えられる。
(3)自然貯蔵試験期間中の吸光度の変化
表5−5に密度補正しない場合の年間を通した吸光度の変fヒを各サンプルごとに示した。なお、吸光度が大きくなるということは光が吸収される量が多いということであり、色が濃くなることを意味する。吸光度の変化率は試験開始時の吸光度を基準として、百分率で計算した。
AB9,AB90,AR52,SB5の変化率は最大でも+4.3%であり、目視での変化は見られなかった(10%以上の変化がないと目視では色の変化を認識できない)。それに対し、AY73は最大で+40%以上の変化を示しており、明らかに色相の変化が生じていた。AY73はサーモクロミズム(温度によるスペクトルの変化)を示し、かつ塩基性溶液中でより発色する性質がある。そのため、冬期には吸光