今、私は看護婦になる事を目指して専門学校で学んでいます。自分が誰かのために何か出来れば良いな、と思っています。「将来、家庭と自分の職業とを両立させて、里親になるんダー」と言うと、父は「おー、そうか。」と笑い、母はケラケラと笑って「やめとき。」と言いました。いつか「私の本当のお母さんは…」と私が言った時も同様の態度で、「何言うてんの真剣にあんたを育てている私が、あんたの本当のお母さん、今は…な。」と言ってました。
両親は私にとって、本当は里親なんだけれど、里子である私と実子のお兄ちゃんを区別するような事はありませんでした。お兄ちゃんも、いろいろと話はしやすいし、友達などは本当の兄妹だと疑いもしないようです。そんな中で私は幸せです。
だから、両親の様な里親になりたいと、一応本気で思ったのですが……。
五、里親体験記
堀内裕子
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