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(3)里子として預かって
木村早苗
三歳になったばかりの男の子がわが家へ来たのはもう七年前になります。ひたいの広い耳の大きな子供でした。三歳だと云うのに昼間から紙おむつを付けた大きなお尻、よだれのよく出るのは鼻づまりかな?……など
今でもあの日の姿をしっかり思い出す事が出来ます。私達夫婦は63歳と53歳でした。
定年退職してこれからかねてからの計画どおり山の中で田舎ぐらし、地域ボランティアなど身にあった事をしながら大山で友人達と迎えて楽しく過ごそうと思っていました。
里親も数年間あたためた計画の一つでしたので、子供が来ると決まった時は大喜びでした。でもよく考えると子供は成長するものだという事にゆきあたりました。私達の様な老人の子供として来ていいのだろうか?子供という人間一人を私達のペットにしてしまうのではなかろうかと思い出すと子供が来るその日まで”ヤッパリことわろ

 

 

 

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