日本財団 図書館


 

裁判所で最終審判が開かれ、自由の身になって胸を張って歩けるB君をお父さんに、お渡し出来たこと私共は無常の喜こびです。
B君、私共は、幸福の華を心に咲かせて、あげたいと思って過ごした一年間でした。お慈悲の思いが何時か通じる日を願って…。
三. 短期委託
四歳のE子と二歳のC子が福祉事務所の方に連れられて来たのは、桜の花便りの頃でした。お母さんが四番目の出産の後、四人の子供を残して急死されました。
お父さんは仕事の関係上、長男は幼稚園に通園しておりましたので近くの叔父さんに預け赤ん坊は乳児院へ、二人の子供は、お父さんが里親を希望されて私共が預かることになりました。
二人の子供はお母さんと悲しい別れをした日も浅いのに、初めて家族と離れて暮すことになって子供心にも辛く、悲しいことだったと思います。
姉のE子は、片ときも妹の側を離れず優しく労り、C子を守ろうとする健気な姿に、

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION