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のではないかと考えられる。
救助院の人々をはじめ、出津の村民は師のそのような生き方を学び、たとえ子どもが九人いても里子を預って家族の一員として育てていけたのではないだろうか。明治時代には、すでに現在のような里親がなされていることがわかる。
ド・ロ神父のもとで「人はみな神の子、兄弟である」というキリスト教の根本思想に基いて行なわれていた里親をかって出て行っていた人が多かったのだが、現在社会の中で、こういう教えをうけ里親をしようとする人はほとんどいないのでは。
二. 次代を担う子どもたちの環境づくりと里親の役割り……について
(1)戦後五十年余日本が経済国家として、歴史上例をみない成功を収めたことは間違いのないところである。親より子、子より孫の世代の方々が、豊かで明るく、恵まれた生活を謳歌できるという未来への期待を日本人がもてるようになったのは、長い日本の歴史のうえでも恐らくこの半世紀足らずのことにすぎない。この奇跡的ともいうべき

 

 

 

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