日本財団 図書館


 

III 長崎県における里親会活動

1. 長崎県里親会活動について

長崎県里親会会長 橋田村俊
一. 長崎における里親のルーツ
明治の始めに宣教師としてヨーロッパから来日したド・ロ神父は、長崎市外三重で救護院(授産場)を開始、同時に孤児院を始めており里子施策を積極的にとり入れた人である。同師は、出津あるいは外海のキリスト共同体の中で、里親を開拓していったのである。
そこで里親条件の第一が「信仰のある家庭」であったが、それを支える信仰とは「人はみな神の子、兄弟である」というキリスト教の根本思想に基いたものであることは疑えないことである。
ド・ロ師の意志は「立派な家庭をつくること」すなわち、捨子、棄児を生み出す社会状況の中で、家庭の重要性を強調したと考えられる。その家庭づくりの主たる役割を担う母親の教育、つまり「良妻賢母」としての女性教育に主眼点がおかれたのではないだろうか。ド・ロ師自身の中にある“立派な母親”は、捨子、棄児を消滅させて

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION