2. 会員の手記
一. M君がやって来た!
中央支部 吉田裕子
M君が我が家に来て、まもなく六ヶ月を迎えようとしています。
「五歳の男の子ですが、どうでしょうか」―相談所から打診があったのは昨年の十二月中旬。その翌週早々に主人と相談所を訪ねました。
担当福祉司さんからM君についての説明があって、いよいよ御対面です。人見知りのしない可愛い子というのが第一印象でしたが、その後の思わぬ展開が、私たち夫婦を大きな試練に立たせることになるのです。
年末から正月七日まで予定されたM君の外泊は、風邪をひいているので薬持参でした。初めての我が家での一泊目は、ウルトラマンのビデオの話題がはずみました。翌元日には三人で主人の実家へ行きました。M君は大変喜んで、ごちそうを食べたり、主人の両親にも人なつこく明るくふるまっていました。
ところが帰りの車中、ふと、別れた実姉や弟のことを思い出したのか、その横顔に
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