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であるとしても、議会を設置して「条例」を制定することができるか疑問の余地がある。つまり、国民の権利義務に関する規範の定立権は、憲法上国会にのみ留保されており(憲法41条)、その例外は憲法で明示されていなければならないと考えられるので、憲法94条にいう地方公共団体ではない組織に条例制定権=立法権を付与することが憲法上許されないのではないかという疑問である(12)。
 「準地方公共団体」の論理は、地方自治の保障を組織・権限の面から弾力的に構成しようとするものであり、憲法の地方自治の保障に沿うものといえる。そして、準地方公共団体であれば、議会を設置して条例制定権を法律によって付与することも地方自治の趣旨に照らして許されると説くことも、必ずしもできないわけではないように思われる。しかし、論理的には、都道府県や特別区が憲法上の地方公共団体であると説くのが確実であることは疑いなかろう。

(4)二層制に関する議論と首都地域の行政組織

 いずれにせよ、二層制が憲法上の要請ではないとすれば、首都地域についてはかなり弾力的な行政組織を創設することができることになる。一層制の府県ないし市として組織することも可能であり、さらには、特別の地方公共団体を新たに組織化することもできると解される。
 なお、都道府県・市町村の二層制が憲法の要請するところであるという立場に立った場合でも、それは日本のすべての領域に都道府県と市町村の二層の地方公共団体が必ず必要とするものではなく、現に東京都にみられるように、一層制の地方公共団体を特別に組織することを否定するものではないと解する余地があることに注意する必要がある。

4 憲法93条の地方公共団体の組織に関する要請

(1)憲法93条にいう議会の設置と長・議員の公選の要請の意義

 憲法93条1項は、地方公共団体に「議事機関として議会を設置する」と定め、2項は「地方公共団体の長、その議会の議員」について「住民が、直接これを選挙する」と定めている。この規定は、地方公共団体の組織について、とくに住民自治に基づ

 

 

 

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