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(カ)居住条件の状況

 現在本町では、住宅・宅地供給不足により若い世帯を中心とした町外転出がみられるほか、本土での退職Uターン希望者の中に住宅・宅地を希望する人も多いといわれる。

 しかし、不在地主の未利用地があるものの、土地の流動化が進まず、住宅・宅地供給が円滑に進まない状況にある。

 若者の流出抑制や退職Uターン者の本町での定住促進のためには、良好で居住水準の高い住宅供給を進めるほか、住宅適地が限られる本町においては、未利用の宅地の流動化を積極的に進める必要がある。しかし、不動産所有者の土地活用意識の欠如と不動産情報の不足などが、土地流動化の制約条件となっている。

 町営住宅の居住意向は、20〜30歳の若い世代では、住宅設備が整いある程度の広さと家賃の条件によっては、町営住宅に住むと回答した割合が4割を超える。60歳以上では、22.1%程度がわからない、ないしは入居するつもりがないと回答しており、その他の人々は戸建住宅への居住が20-30%、白水や垂水地区なら入居すると回答した割合が約11.9%となっている。特に・単独世帯や夫婦のみの世帯において町営住宅の入居希望者の割合が高くなっている。

 家族の中に高齢者のいる世帯では、高齢者仕様への改善、若夫婦と同居する部屋の広さの確保、建物の老朽化の改善など、住宅の改善を要望する住民が4割を超える。

 今後、介護を必要とする高齢者の一人暮らし世帯あるいは高齢者のみの世帯が、安心して島内に継統して居住していくためには、ケアハウスなどの高齢者向け福祉型共同住宅供給も必要である。

 一方、土地・建物の借地・借家意向では、将来とも使用すると回答した人が最も多く58.2%を占めるが、将来住宅や土地を利用しないと想定される人に限ると、土地・建物を貸してもよい、あるいは価格条件が合えば売ってもよいとする回答も少なくない。

 住宅適地が限られる本町においては、未利用宅地などの流動化による土地・建物の供給が定住化促進の上で重要な課題となっている。

 土地などの流動化を促進するため、積極的な公的介入と不動産として資産運用が図られるシステムの整備を含めた住宅政策の展開が必要である。

 

 

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