エ医療
離島の医療については、医師、看護婦をはじめ医療従事者や医療機関が不足するなど、医療に恵まれていない状況が依然として続いている。保健医療体制及び救急医療体制両面にわたって、大幅な改善、離島における生活の安心の確保が急務である。特に、医療従事者の確保と緊急時の医療の確保が深刻な問題となっている。また、離島の高齢化は他の地域以上に急速に進んでいることから、高齢者に多い慢性疾患に係る医療、眼科、耳鼻咽喉科など、特定の診療科に係る医療、保健、予防、救急医療など、それぞれの地域に適応した保健・医療体制の確保が重要となっており、従前からの量的確保に合わせ、質的な向上の必要に迫られている。
オ福祉保健・医療と十分に連携しつつ、高齢者のケアをする側も多くは高齢者であるという離島の実情を踏まえた、高齢者が健康で生きがいのある生活を送ることができるような高齢者福祉の充実強化を図ることが急務となっている。また、21世紀の離島を担う観点からも、子どもが健やかに生まれ育つための環境づくりなどの児童福祉も含めた社会福祉を充実していかなければならない。
カ教育過疎化、高齢化が進むなかで児童・生徒数が減少し、それとともに小中学校の学級数が減少しており、休校や統廃合となった学校もある。これらの離島における児童・生徒は、義務教育の段階で定期船やスクールボートを利用した島外通学、もしくは島外での寄宿舎生活を余儀なくされている。また、高校進学率が非常に高くなり、大学進学への関心も高くなっているにもかかわらず、高校の設置されている離島は限られている。また、大学が設置されている離島はない。このため、高校、さらに高等教育機関への進学時に、島から出ざるを得ないことが若者流出を加速させている。