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第4章今後の課題

  1 今後の課題

 本調査研究は、高まる健康志向を背景に、西諸地域をケーススタディ地域として薬草や山野草を活用した農山村型のヘルスリゾートのあり方を検討したものである。
 結論として、心身の「美」の希求と健康の根元である“命”を育むところまで深まりつつあるリゾートニーズを踏まえ、整備の基本コンセプトを「薬草を活かした健康の里」と設定した。
 その具体的な展開は、県の既定計画である「地域資源作物開発センター(仮称)」の薬草に関する技術実証・情報提供機能を十分に活用し、西諸地域及ぴ全県の農山村のヘルスリゾート整備を進める構図を提案した。
 この提案は、西諸地域の観光・リゾートや既存の薬草農業などの現状を可能な範囲で実査し、既存の資料や事例を採用して構想したものである。しかし、今回、厳密な意味で、地域に賦存する健康増進効果のある野草や導入型で展開できる薬草などの実態把握や分析を行ったものではなく、また、地域関係者のニーズなどを十分に取り入れた構想でもない。したがって、一定の現状把握はあるものの、この構想は、アイディアを含めた「健康の里」の概念モデルを提示した域を出ない。
 このような調査研究の現状から、今後、「薬草を活かした健康の里」づくりを推進するには、本構想を叩き台として、公共、民間のニーズ把握や制度支援などの可能性の検討も含め、実効性のある計画を立案することが不可欠と考えられる。
 このような基本認鐵に立って、本構想を推進する上での当面の課題を以下の3点に集約して提起しておきたい。

 

  2 今後の主要な検討課題

   (1)本構想についての地元市町村の理解と展開方向等の協議

 本構想は、基本的に、薬草活用型のリゾートからのアプローチであるため、その関連分野は幅広く、したがって、検討を進めるに当たっては、「健康の里・西諸」の展開について、地元西諸地域の各市町村の理解を得る必要があるとともに、このコンセプトに沿った地域内の各観光・リゾート施設等の具体的な展開方法や役割分担等について十分な協議を行う必要がある。

 

   (2)健康増進に有効な藁草・山野草調査の実施

 (1)を前提として、西諸地域の薬草や健康増進に有効な山野草の賦存・導入・活用可能性調査を行い、計画検討の基礎資料を整備する必要がある。

 

 

 

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