(1)立地条件
ア 本地域は、東京、名古屋の中間に位置し、東京圏の伝統的なリゾート圏、テクノリンケージ(高次産業連関)の一環を形成しており、第2東名、中部横断自動車道の整備は、観光−産業立地の面で有利になると予想される。
イ 中部横断自動車道の整備により、中央日本を横断し、日本海と太平洋を結ぶ中央軸、東京を100〜150kmのところで取り巻く大環状網、東京と名古屋を起点とする6つの環状観光ルートの形成が可能となり、IC周辺等には開発インパクトが生じる。
ウ 本地域は、静岡市を中心とする行政・文化・業務・商業ゾーン、富士市−沼津市を中心とする駿河湾工業ゾーンの接点にあり、富士−箱根−伊豆の観光ゾーンの裏側ないし手前に位置し、独自の地域イメージを持ちにくい地域である。
エ 地域交通としては、南北は山を越える道路のため1時間圏と時間がかかり、東西は30分圏であるが、清水市〜由比町間で狭い山と海の間に集中している区間があり、防災上の問題を抱えている。
(2)地域特性
ア この地域が、静岡、山梨両県に占める割合をそれぞれ見ると、人口と較べて、産業機能は、県平均、もしくは下回る、という状況である。
イ 人口31.3万人、世帯数10.1万世帯であるが、人口はベッドタウン的な機能を持つ富士川町、芝川町を除いて減少傾向を示している。
ウ 農業は、温暖な気候を生かしたお茶、みかん、いちご等、工業は立地条件を生かした電気機械、一般機械、駿河湾工業地域に関連する素材型及び関連する企業、清水港や海産物を生かした食品加工等があり、小売・飲食は、清水市が吸引しているほか、周辺の静岡市、富士市、富士宮市などの商業の吸引が見られる。
(3)主要プロジェクトと地域振興課題
清水市の都市機能強化、港湾機能強化、工業振興、スポーツ関連等のプロジェクト、富士川市の解放型サービスエリア構想や、第2東名関連の宍原工業団地、新々富士川橋、富士南麓道路整備などが見られるが、中部横断自動車道関連のプロジェクトは今後の課題である。