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    第2章 駿河路・甲斐路地域の現状

    1 歴史的条件

     本地域は、駿河と甲斐の国にまたがる地域であり、古代からの東海道と、南北の甲州路(身延路)の交差する「十字路地域」であり、清水湊は東西の海上交通の避難港として、また、甲州・信州への中継港として賜わってきた。

     南北の街道は、西から興津筋、由比筋、岩渕筋の3本あり、身延参りの街道であるとともに、甲州からは米を岩淵(現富士川町)〜蒲原〜清水濠のルートで運び、江戸へ送り、あるいは西国からの塩を甲州方面へ送る重要な物資の輸送路であった。

     また甲州から海への最短距離にあり、戦国時代には武田氏が南下し進出した地域でもあり、古来より東西一南北の交通の要衝として重要な位置をしめていた地域である。

     以上のような歴史を受け、本地蜘こは、東海道の宿場町、塩の路などの歴史的な街道文化遺産が数多く残されるとともに、文化的・人的な交流が現代に引き継がれ、観光や生涯学習の取り組みなどで活用されている。

    図表13 街道・海上交通路の状況

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