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   イ 佐賀市の中枢機能のサービス圏域の状況

・地方中核都市としての佐賀市の都市機能は、県庁などの行政管理機能や経済関連各種団体、金融・保険業務などの金融サービス機能などが全県を対象とした管理機能を担っている。しかし、住民生活や産業活動などに係る都市機能のサービス圏域は、商圏などからみると概ね佐賀地区広域市町村圏の範囲に留まっているものと想定される。
・また、佐賀地区広域圏の発展を牽引する地方中核都市としての機能・役割が期待されているが周辺市町村の人口の推移からみる限り、人口面からみたその影響圏は佐賀市に隣接する一部の町に限られ、広域圏全体の人口を支える都市機能の集積がみられない。
・特に、25〜29歳層にとっての魅力的な就業機会が不足し、転出超過となっている。

 

  (3)産業の動向に関する課題

   ア 産業の空洞化への対応

・出荷額からみた主要業種は、食料品、電気機械器具製造業、金属製品、印刷、機械器具、ハルブとなっており、県庁所在都市としての特徴である印刷・出版が第3位である。
軽工業の印刷関連は、都市機能の集積に伴って必要とする業種であり、将来とも市内及びその周辺に立地する業種であるが、食料品、電気機器器具などの労働集約型、成熟型産業は生産活動を海外シフト化し、将来、産業の空洞化が懸念される。
・今後、付加価値の高い先端技術産業の導入や伝統技術関連産業の振興を進める必要があり、こうした産業を振興するための起爆剤となる支援策が求められる。
・なお、広域では、長崎自動車道沿道の市町での工業進出が進展している。

   イ 商業活動の状況

・「かもめ族」と呼ばれる若い消費者の福岡への流出がみられるものの、佐賀市商業は、佐賀地区広域圏を商圏(商圏人口35万人)とした中心的機能を担っている。

 

 

 

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