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序 調査研究の目的と調査の方法

(1)調査研究の目的

 県庁所在都市などの各地の地方中核都市においては、商業、業務、芸術・文化など、様々な都市機能の集積に恵まれ、高度な住民サービスの提供が他地域に比べ比較的容易な状況にあるところが多い。その反面、地方中核都市の多くは、周辺自治体に比較して人口の流出が進む一方、大規模小売店の郊外進出や中心商店街の付加価値的魅力度の低さなどにより、中心市街地の空洞化が進展し、都市圏の中核としての求心力の低下のみならず、自らの市内各地区の整備、振興にもバランスを欠いている例もみられる。
本調査研究対象地である佐賀市も同様な状況にあり、佐賀地方拠点都市地域の中心都市としての役割・期待がもたれているものの、広域圏はもとより県全体に対する求心力は高いとはいいがたく、人口定住の基礎となる産業活動も停滞傾向を示している。
また、市内各所においては、人口減少地域や空洞化しつつある中心市街地など、問題・課題を抱える地域があるなど、各地域の均衡ある整備・振興への取組に基づく総合的な発展策の確立が課題となっている。
本調査研究は、以上のような認識のもとに、佐賀市を対象として、市内各地域の状況や動向などによる地域間の機能分担と連携方策などと地方中核都市としての高次都市機能の集積方策などの検討を通して、地方中核都市の一体的・総合的な振興方策の策定への提言を目的として実施するものである。

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