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4.観光・文化拠点モデル地区整備のトータルコンセプト

 

 トータルコンセプトの提示  … 庭園性

 

 大谷地区に期待される状況と抱えている課題に対応し、また特異な風景を活かすためには作庭技法の応用、環境認識方法、環境形成方法など多様な視点を持つコンセプト「庭園性」の適用がふさわしいといえる。この「庭園性」とは桂離宮、修学院離宮に代表される回遊式庭園のもっているもので、その特徴には次のようなものがある。

 

 1 総合性 総合化された環境である。人の視線を重視したトータルデザインである。

 2 場所性 風土を活かした地場の技術や素材を駆使し展開した表現である。

 3 自然性 水と土を保護し、人の手が入っているが、自然の風物を自然に近く扱う生態的環境である。

 4 時間性 時間の流れの中に、美的、技術的に保全、調整する。

 5 物語性 園路や水上を巡る過程で色々な風景、仕掛け、寓意、見立てなどを見て、変化を楽しむ回遊性をもつ。

 6 娯楽性 歓談、歌会、音楽その他の娯楽の場、季節折々の時を楽しむ視点をもつ。

 7 芸術性 草木も水もすべてが自立し対等の位置をもった環境芸術である。

 8 進取性 固定的でなく新しい物や技術に興味を持つ好奇心旺盛の場である。

 

 庭園は主屋、東屋や茶亭など各々から見渡す庭風景の集合体でできている。大谷は森林公園、多気山周辺、大谷寺周辺など各々独立した庭の集合体といえ、全体を称して庭園といえる。さらに、農林公園(ろまんちっく村)など周辺施設を含めると大庭園になる。

 

 これら庭園の構成と機能で大谷地区を観てみると図表74のようなものになる。

 

 

 

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