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2.宇都宮市の観光のあり方

 

(1)基本的考え方

 さまざまな人々が生活している都市のもつ複合的な機能そのものが都市観光の魅力となっている。いわゆる観光資源に恵まれない都市でもそこで人々が生活し、交流があれば観光地たりうるのである。つまり来訪者にとって様々な人間が集まることたよってのみ作り出される“魅力”が決定に重要な要因となる。
 「住民にとって住みやすく魅力ある都市空間の開発整備こそ訪れる観光客にとっても魅力のある都市となりうる」。この昭和45年、観光政策審議会答申「望ましい観光の発展のために」の中の“魅力ある都市づくり”で指摘された都市の観光開発に対するこの考え方は現在でも基本的に変わっていない。都市観光地として魅力ある都市にしていくためには、次のようなプロセスを経て達成されるものである。

 

? 地域の歴史や文化環境を誇りとして環境を整えながら生活しているまちには魅力がある。

? その優れた環境を見、聞き、体験しようとして多くの人達が観光客として訪れる。

? 「観光」として外部の人達からの評価を確認することにより、地域の人達はまちづくりへの自信を一層深める。

? さらにより良いまちづくりが進められる。

 

 宇都宮の都市観光は、市民を主体とした生活基盤整備を軸に、北関東の独自性を持った多様性のある個性的な都市づくりであり、魅力的な都市空間を形成することである。また情報化が急激に進み、国際性をもった交流の促進が求められている状況の下で、宇都宮の都市観光を考えるにあたってはハード、ソフトの総合的な施策を推進していく必要がある。

 

 

 

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