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4. 熊本港の港湾施設の有効利用
 現在、熊本港には、公共岸壁が4バース(-4.5m 2バース、-5.5m 2バース)整備されている。しかし、貨物の取り扱いはまだ少なく、その機能が有効に活用されていないというのが実状である。
 将来的には-10m 2バースも計画されており、FAZとの連携も含めて熊本港港湾施設の有効活用策を考えていくことが必要である。

 

5. 外貿コンテナ定期航路開設への対応
 県下で発生する輸出入コンテナ貨物の需要もかなりの量存在するが、これらは博多港、北九州港を経由している。とくに輸入コンテナ貨物の需要は拡大しており、県下港湾ではそれらに充分対応できていない。
 外貿コンテナ定期航路の地方分散化は進んでおり、九州においても平成6年以降長崎港、大分港、細島港で航路が開設されている。
 本県は、韓国、中国に対して他県に比べるとかなり優位な位置にあり、特に八代港は、地理的、歴史的にみて西九州こおいては最大の中核ポートとして位置づけられる。更に、九州のロケーションからすると、宮崎県は我が国の束側との結節部であり、熊本県は東アジア地域との結節部とみなされ、国際水平分業体制を視野に入れるときわめて重要な位置とみなされる。これらのことを考慮すると、本県港湾においても外貿コンテナ定期航路開設についての可能性を探っていくことは重要である。

 

6. 陸上輸送体系の整備
 港湾の物流機能が充分に発揮されるためには、背後地との円滑なアクセスが確保されることが不可欠である。アクセス手段としての高速陸上交通体系の整備・充実が重要である。

 

7. 地域活力のパワーアップと海上貨物の創出
 熊本県の小売業販売額、工業生産額は順調な伸びを示しているが、地域の経済力のべースとなる人口が鈍い伸び率であることは気になるところである。
 物流の活性化は、背後圏の経済力のアップと互いに関連したものであるので、企業誘致、マーケットサイズの拡大につながる定住人口拡大及び交流人口拡大といった施策が総合的に進められることが必要である。
 特に、県下重要港湾の物流機能のレベルアップを図っていくためには、現状では海上貨物量が十分とは言えない。このため、背後圏への海上輸送型の産業の誘致、育成を図り、べースカーゴを確保していくことが必要である。

 

 

 

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