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5航路、「採算割れ」が18航路と約80%は不採算航路である。業績の見通しにっいても「非常に・かなり悪化」が約70%で、「どちらともいえない」「やや良好」は約10%である。
・経営上の問題点は、圧倒的に「需要の減少」をあげている。今後の対策としては「運賃の値上げ」(10事業所)、「省エネ船・近代化船等への代替」(7事業所)、「省力化による賃金コストの削減」、「運航コストの削減」(ともに6事業所)が続いている。
・行政に対する要望としては、経営維持の困難を訴えており、運営費への補助の要望が強い。

 

(5)旅客航路利用者の実態

 

・旅客航路利用者アンケートによると、全航路計の利用者の特性は、性別では男性が約60%、年代では40歳代以上の中高年層が多い。利用者の居住地は約70%が県内で、とくに天草が30〜40%を占めている。天草郡の中では架橋がない御所浦町が大半を占めている。
・利用目的は、平日では「商用」が22.7%でもっとも多く、休日になると、「観光」が28.8%ともっとも多い。平日では「業務」「私用」「レジャー」の割合にあまり差がない。
・乗船直前、直後の利用交通機関は「自家用車」がもっとも多く、かなり下がって「徒歩のみ」が続いている。
・利用頻度は、平日は「週1回以上」が約40%、「月に1回」が約20%である。休日では、平日と比べると頻度が低くなっている。
・航路別の出発地、目的地の分布をみると、ほとんどの航路が両端の狭い範囲に限られており、生活航路の特徴がみられる。出発地・目的地がかなり広く分布しているのは多比良〜長洲の有明フェリー、口之津〜鬼池の島鉄フェリーである。
・利用客の不満はダイヤ・運賃に集中しており、いずれも採算性と直接関わる要因である。
・航路の利便性は、「悪くなった」というのはごくわずかで、「よくなった」が約30%である。今後の利用意向をみると、約50%は「変わらない」と答えており、「増えてくると思う」が約20%を占め、「減ってくると思う」を大きく上回っている。

 

(6)港湾を中心とした貨物輸送の実態

 

・熊本県下の海上貨物をみると、移出、移入とも横パイ、輸出は減少、輸入は増加という傾向がみられる。圧倒的に国内貨物が多く、輪出、輸入は10分の1以下である。
・国内貨物の取り扱いが多いのは八代(平成6年:移出390千トン、移入:3339千トン)、ついで三角、水俣の順である。
・輸出入貨物が多いのは、八代(平成6年:輸出4千トン、輸入1034千トン)、ついで水俣、三角である。熊本は港湾統計で表示されていないが、現状では貨物量は少なく、ほとんどがフェリー輸送である。
・従業員規模の大きい製造業、卸小売業を対象とした荷主企業に対するアンケート調査によると、

 

 

 

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