日本財団 図書館


 

019-1.gif

 

東海大学「望星丸」が4つの運河を通り世界一周

 

東海大学の「望星丸」(一、七七七総トン、一九九三年建造)は調査、研究という海洋調査船としての能力のほかに、第一種国際航海客船、ID級耐水構造船という、大学が持っている船としては耳慣れない資格を持っている。これは同大学海洋学部の調査、研究や実習に利用されるだけではなく、学生や青少年を乗船させ洋上研修を行ったり、乗船体験を聞いたり、また寄港先で国際交流の場として利用するためのもの。深海までの調査能力を持っ研究調査船でありながら、客船でもある船は、わが国でもほかに例を見ない。
このような大きな能力を持つ「望星丸」だから、昨年六日二十七日、東京を出発し十月十一日に静岡県清水にもどった。百二十七日の世界一周航海は、荒木直行船長以下乗組員、教官、海洋学部の練習生三十四名に加えて、海洋調査の研究者グループ、高校生の研修グループ、大学・知期大学生の研修グループ、同大学校友グループが、つぎつぎとバトンタッチのように乗船して行われた。航海中や寄港地ではグループごとに、本船の能力が生かしたプログラムがたてられた。海洋調査では、地球環境に関する調査や海鳥など幅広い調査が行われ、船上レセプション、体験乗船会も実施されている。
また本船の世界一周は、デンマークのコペンハーゲンにある同大学ヨーロッパ学術センター二十五周にあわせて行われ、同地まで足を延ばし、記念式典に参加した。その間、ドイツのキール運河、ギリシアのコリントス運河を通航、ふつう客船の世界一周で通航するスエズ、パナマ両連河に加えて、あわせて四つの運河を通航するという珍しい世界一周であった。写真=東海大学

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION