日本財団 図書館


 

マリン・トピックス

自律型海中ロボットの潜航試験に成功

 

018-1.gif

 

三井造船株式会社(星野二郎社長)は、東京大学生産技術研究所の海中ロボット研究グループ(代表・浦環教授)と共同で、次世代の海洋探査機器として注目されている自律型海中ロボットの研究開発を一九九○年度から進めてきたが、そのプロトタイプとして開発した「アールワン・ロボット」の自律潜航(遠隔操作によらない自動潜航)試験を昨年七月岡山県玉野市沖で行い成功、続けて、四時間連続潜航試験を同八月和歌山県田辺油で行い成功した。
海中や海底の計測は、現在一般的には、観測母船から測定器を降ろして行われているが、深海底や中央海嶺での観測は伝統的な方法ではケーブルに拘束されて不可能な場合が多く、また海底火山活動など危険海域では有人潜水艇では人命への配慮がネックになっているが、母船からの遠隔操縦を受けずに潜航し、海中環境の計測や海底面の調査を行うことができる自律型海中ロボットならこの問題は解決される。
「アールワン・ロボット」は全長約八・三m、胴体部直径一・一五m、最大潜航深度四○○m、巡航速度約三ノット、総重最約四・三トン。閉鎖式ディーゼルエンジンシステムにより発電された電力で、主推進装置、二基の上下スラスタ、制御装置、航行装置、計測装置を稼働させる。また、運動を計測するための慣性航法装置を搭載、二十四時間にわたる自動潜航が可能。同システムによる海中ロボットは世界でも初めて。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION