皇太子殿下お言葉

「海の日」制定説念式典に、皆さんと共に出席できることを、大変うれしく思います。

我が国は、四方を海に囲まれ、古来より、文化や産業、人々の生活など様々な分野で、海と深く関わり、その恩恵を享受してきました。海を渡っての交流や流通は、他の地域に住む人と人、文化と文化を結び付ける役割を果たしてきました。また、近年においては、海洋開発やウォーターフロントの整備、マリンスポーツの普及など、海の多面的利用が進展してきています。

人類にとって海の果たしてきた役割は、誠に大きなものがあります。ことに、今日、海が地球環境の保全に重要な役割を果たしていることが明らかにされてきており、海洋環境の保全が、全地球規模の課題となっています。

「海の日」は、このような海の重要性を、私たち一人一人が認識し、その恩恵に感謝する機会として、意義深い祝日となることと思います。

「海の日」の制定を機に、将来に向けた人類の健全な発展のために、海の有効利用が進められるとともに、海洋環境の一層の保全が図られることを期待して、私のあいさつといたします。

「海の日」宣言

本日ここに、皇太子同妃両殿下のご臨席を賜り、関係各位のお集まりのもとで、「海の日」制定記念式典が盛大に挙行されますことを心からお喜び申し上げます。

周囲を海に囲まれた我が国にとって、海との関わりは、古くから特別なものがございます。資源の乏しい我が国が貿易立国として存立できるのも、必要な物資のほとんどが海上交通によって確保されているからであります。食生活においては、古来より豊かな海産物に依存してまいりました。また、四季の変化に富んだ豊かな自然を味わうことができるのも、海のお陰といって差し支えありません。

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