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か光合成で藻を作って、再生する実験も始めています。
洋上で伊勢湾の将来を語り合う
北川 もう一つ、東京湾、大阪湾の許容量が限界に来ています。その点、伊勢湾には四日市港というマイナス十四メートルの大水深岸壁を持つ良い港があります。最近国際物流センターもオープンし、FAZ(フォリーンアクセスゾーン)も課題にあがっています。いま一千トンの貨物を積んで、時速約一〇〇キロで走れる船、いわゆるテクノスーパーライナーの寄港地の問題も含め、環境や水産を念頭に、戦略的な港づくりをしていこうと考えており、その一環として、今後、「海の祭典」のプレイベントとして、伊勢湾洋上で、三重県、愛知県、岐阜県の三重県の知事と名古屋の市長さんとが集まって、海について語ろうとしています。
永井 ところで、三重県は海に関する計画をいろいろ持っておられるそうですね。
北川 一つは中部新国際空港間係、もう一つは、木曾岬干拓と言いまして、四百四十四ヘクタールの大きな土地があるのです。これをどうするかという問題があります。それから、渥美半島から鳥羽へという伊勢湾架橋の計画があります。これは太平洋新国土軸という、今までの東海道メガロポリス単線型の国土軸では地震がきたら終わりだという反省から、多重多軸の国土形成をするものです。東海から伊勢湾口、紀伊平島中央部、紀淡海峡を経て、四国、九州に至るメインストリートがあるのです。これをぜひ実現したいというのが私の思いです。
日本の国土も、過疎過密というアンバランスがあります。これを適度に均していこうと交流、連携を中心に国土形成をするのが今度の弟五次全国総合開発計画のメインだと思います。この大きな時代転換をむかえ、三重県としてもその流れに乗ろうというときに「海の祭典」を開催できることは、非常にタイムリーなことなのです。
永井 今日はどうも有難うございました。

 

 

 

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