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(5)子育てコストの軽減
子育てに伴う家計の負担の軽減を図るとともに、社会全体としてどのような支援方策を講じていくか検討する。
5 重点施策
今後、子育てのための支援策としては、基本的方向にそって、教育、雇用、住宅、福祉の面で総合的に推進していく必要があるが、少子化の原因や子育て家庭の意識等に鑑み、特に、次の施策を重点的に実施する。
(1)仕事と育児との両立のための雇用環境の整備
・ 育児休業給付の実施など育児休業を気兼ねなくとることのできる環境整備
雇用保険制度による育児休業給付を着実に実施する。また、事業主等に対し育児休業に関する相談・指導や円滑な職場復帰のための指導・援助を行う。
A事業所内託児施設の設置促進など子育てしながら働き続けることのできる環境整備
育児期間中の勤務時間の短縮等の措置の普及を進めるとともに、従業員向けに事業所内託児施設の設置や育児費用の経済的支援を行う事業主に対し援助を行うことにより、事業主による育児支援措置への自主的取組みを促進する。
また、保育サービス等に関する地域の具体的な情報を提供するほか、育児相互援助活動への支援、両立支援施設の設置等地域における支援体制の整備を進める。さらに、仕事と育児との両立に必要な相談・指導・講習等を実施する。
B育児のために退職した者の再就職の支援
再雇用制度の普及を促進するとともに、再就職希望者に対し、職業情報の提供や自己啓発への援助、多様な就業ニーズに合った講習や職業訓練などを実施する。
C労働時間の短縮等の推進
年間総労働時間1800時間を実現するため、週40時間労働制の実現に向けた対策の推進、所定外労働削減に向けた啓発指導、及び年次有給休暇の完全取得に向けた労使の自主的な取組みの促進を図る。
また、働きながら子育てのできる条件整備を図る観点から、フレックスタイム制等の弾力的な労働時間制度の普及促進を図る。
(2)多様な保育サービスの充実
・ 保育システムの多様化・弾力化の促進
保育所制度の改善・見直しを含めた保育システムの多様化・弾力化を進める。その際、駅型保育、在宅保育サービス等の育成・振興を図る。
A低年齢児保育、延長保育、一時的保育事業の拡充
ア. 低年齢児受け入れ枠の拡大
育児休業制度の定着、女性就労の増加等に伴い入所希望が増大すると見込まれる0歳児から2歳児までの低年齢児について、入所を必要とする低年齢児を保育所に受け入れられるようにする。
イ. 延長保育の拡充
通常の保育時間(おおむね午後6時まで)を超えて保育時間の延長を行う保育所を誰でも利用できるよう都市部を中心として普及整備する。
ウ. 一時的保育事業の拡充
母親が病気の時に緊急に児童を預けたり、仕事の都合で一時的な保育が必要なときに利用できるための一時的保育事業を普及整備する。
B保育所の多機能化のための整備
延長保育、乳児保育、相談指導等の多様なサービスを提供するため、保母配置の充実等を図る。
また、保育所が、地域子育て支援の中心的な機能を果たし、乳児保育、相談指導、子育てサークル支援等の多様なニーズに対応できるよう施設・設備の整備を図る。
C放課後児童対策の充実
昼間保護者のいない家庭の小学生(主に1年から3年)を対象に、児童館、児童センターや実情に応じ学校の余裕教室などにおいて、健全育成を行う放課後児童クラブを身近に利用できるようにする。
(3)安心して子どもを生み育てることができる母子保健医療体制の充実
地域における母子保健医療体制の整備
妊婦や乳幼児の健康診査、新生児訪問指導や保健指導等の母子保健サービスを住民に身近な市町村で一貫して受けられるようにする等、母子保健医療体制の整備を進める。また、周産期、新生児の医療の充実のための施設・設備の整備を推進する。
A乳幼児健康支援デイサービス事業の推進
病気回復時の乳幼児で、保護者による家庭での育児が困難な児童が身近にデイサービスを受けられるよう乳幼児健康支援デイサービス事業を推進する。

 

 

 

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