
阪神・淡路大震災の概要と国の新たな災害対策の推進
阪神・淡路大震災の概要とその教訓を踏まえた国の新たな災害対策の推進について見てみよう。
1 阪神・淡路大震災の被害状況
平成7年(1995年)兵庫県南部地震の概要と地震による被害の状況及びその特徴を見てみよう。
(「平成8年版 防災白書」)
1. 阪神・淡路大震災の被害状況
1−1 地震の概要
平成7年1月17日05時46分、淡路島北部の北緯34度36分、東経135度02分、深さ16kmを震源とするマグニチュード7.2の地震が発生した。この地震により、神戸と洲本で震度6を観測したほか、豊岡、彦根、京都で震度5、大阪、姫路、和歌山などで震度4を観測するなど、東北から九州にかけて広い範囲で有感となった(図1−1)。また、この地震の発生直後に行った気象庁地震機動観測班による被害状況調査の結果、神戸市の一部の地域等において震度7であったことがわかった(図1−2)。
この地震は、内陸で発生した、いわゆる直下型地震である。破壊した断層付近で非常に大きな揺れを生じ、神戸市を中心とした阪神地域および淡路鳥北部で甚大な被害を受けた。神戸市中央区の神戸海洋気象台では、最大加速度818gal(南北成分)を観測した。各地の最大加速度他を(表1−1)に示す。
淡路島北部では、今回の地震によって新たに生じたと思われる断層の露頭が認められた。淡路島から神戸、西宮にかけては無数の活断層が走っており、このうち、野島断層(淡路島北部)に新たな断層のずれが生じたことが確認された。
気象庁はこの地震を、「平成7年(1995年)兵庫県南部地震」と命名した。
さらに政府は、今回の災害の規模が特に大きいことに加え、今後の復旧・復興施策の推進の際に統一的な名称が必要となることが考えられることから、災害名を「阪神・淡路大震災」と呼称することを平成7年2月14日に閣議口頭了解した。
○地震の概要
a 発生年月日 平成7年1月17日05時46分
b 震源地 淡路島北部(北緯34度36分、東経135度02分)
c 震源の深さ 16km
d 規模 マグニチュード7.2
○各地の震度(気象庁発表)
震度7 図1-2に示した地域(注1)
震度6 神戸、洲本
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