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?T 農山村地域の現状

まず、平成7年版環境白書を中心に目然に対する意識の高まり、ふれあいの現状を見、また、平地・里地地域等の自然環境の現状と、様々な地域づくりの取組みについて見てみよう。

1 自然に対する意識と現状

(1)自然とのふれあいを求める意識の高まり(「平成7年版環境白書」)
自然とのふれあいを求める意識の高まり
平地、里地の自然の荒廃が進む一方で、所得水準と余暇時間の増大を背景に自然とのふれあいを求める意識が高まっている。総理府による自然の保護と利用に関する世論調査によると「自然への関心がある」と答えた者の割合は昭和61年調査に比べ約6%上昇して平成3年調査では84.5%となっている(第3−2−6図)。特に都市部においては自然とのふれあいを求める意識が強く、自然とふれあう機会を増やしたいと思う者の割合は、町村部では45.4%にとどまるのに対し、東京都区部では83.5%に達している。これは、町村においては、日常的に自然とふれあう機会が多いのに対し、東京都区部ではそれが少ないことを反映しているものと考えられる。
また、自然保護活動へ参加したことがある人の割合は平成3年調査ではほぼ半分を占め、10年前と比較すると約20%増えており、自然への関心の高まりが具体的な活動に結びついていることがわかる。さらに、今後、自然保護活動へ参加したいという人の割合も昭和61年には約55%だったのが、平成3年には約65%に伸び、自然保護活動への積極的な姿勢が読みとれる。また、自然保護活動への参加経験がある者のそのような活動への参加意向は、86.9%と非常に高くなっており、自然保護活動未経験者の参加をいかに促進していくかが、自然保護活動の一層の推進に向けて重要であることがわかる。

第3−2−6図 自然の保護と利用に関する世論調査結果(注)

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(2)自然とのふれあいの現状
自然公園利用状況等から、国民の自然とのふれあいのニーズの高まりについて見てみよう。
(「平成8年版環境白書」)
(1)ニーズの高まり
近年、余暇時間の増大や都市における身近な自然の減少及び国民の環境に対する意識の向上等にともない、人と環境との絆を深める自然とのふれあいへのニーズが高まっている。自然とのふれあいは、人が自然環境のもたらす恵沢を享受する基本的かつ具体的な行動であり、例えば自然公園などに出かけて自然の美しさや荘厳さに感動したり、自然観察会などの行事に参加して自然への理解を深めたり、町中の街路樹の緑や水辺地の風景が目に入って安らぎを覚えたりするなど様々な態様のものが考えられるが、人々が自然を大切にする心を育み、人間性を回復するための必須条件であるといえる。

 

 

 

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