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(4.)積極的動機が多いUターン青年等の就農理由
農林水産省「Uターン青年及び新規参入者の実態と意識に関する調査」(平成7年3月。以下、「Uターン・新規参入調査」という。)により、就農時34歳以下で、就農後5年以内のUターン青年に就農の理由を聞いたところ、「自発的な理由」が「家の事情による理由」を上回るという結果が得られた。具体的にみると、Uターン就農の理由の上位三つは、農業は「やり方次第でもうかる」(44%)、「時間が自由」(39%)、「自ら経営の采配が振るえる」(35%)と自発的な理由として分類されるものとなっている(図V−10)。次いで、親のリタイア等に伴い、「家・家業」を存続させるための「家の事情」(26%)、「財産としての農地を守る」(23%)が続いている。一般的には、Uターン就農の直接的な契機は、親が農業からリタイアする場合であることが多いと思われるものの、調査結果に現れたような前向きの就農意向が、Uターン就農を増加させる要因となっていると考えられる。また、このような意向は、近年強まる傾向にあり、農林水産省「新規青年就農者等緊急調査」(6年11月)によると、2〜4年にUタ

図V−10Uターン青年及び新規参入者の就農理由(複数回答)

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資料:農林水産省「Uターン青年及び新規参入者の実態と意識に関する調査」(7年3月)
注:Uターン青年と新規参入者に対し選択肢の異なる調査票で、調査したため、就農理由のうち、並記できない項目がある。
ーン就農した者のうち自発的な理由によって就農した者の割合は、元年以前にUターン就農した者における割合より高くなっている。例えば、「時間が自由」を就農理由としてあげた者の割合は6ポイント上昇している。これに対し、「家の事情」を理由とする割合は、8ポイント低下している。
一方、非農家出身の新規参入者は、農家出身であるUターン青年とは異なり、これまで経験したことのない未知の世界に飛び込むという事情にあるため、Uターン青年に比べ就農目的が明確である場合が多いとされている。上記の「Uターン・新規参入調査」から、その就農理由をみると、第1位の「自ら経営の采配を振るえる」(23%)は、Uターン青年

 

 

 

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