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2 職場研修を通じた実践的な政策形成能力の育成

 

(1)意義

 

第1章及び前項で述べたとおり、職員は、職場において仕事をしながら育っていくものであり、それを実効あるものとしていくためには自覚的な取り組みが不可欠である。職場研修はそうした自覚的な取り組みの一つであり、職場を学習の場としてとらえて取り組まれるものである。そして、職場研修を通じた実践的な政策形成能力の育成とは、仕事を進めていくに際しその過程を人材育成の機会、特に実務に密着した政策形成能力の育成を図る好機として積極的に工夫し活用していくということである。
地方公共団体の職員が担っている仕事については、?@地域のニーズを発見・把握し、?Aそれに応える手段を施策として考案し、?B関係者に説明しその了解を取り付け、?C審議・決定をえて、?D予算や人員・組織などの裏付けを確保し、?E実施・施行し、?Fその具体的な効果を評価し、?Gフォローをしていく、といった一連の過程としてとらえることができる。仕事を進めていくに際しその過程を積極的に工夫し活用していくというのは、このような「仕事という一連の過程」を通して職員の政策形成能力の育成も図られるよう、仕事の進め方を積極的に工夫し、活用していくということなのである。具体的には、仕事の割り振り、責任分担、指揮監督、進行管理等について工夫をし、職員の意欲や主体的な取り組みを引き出し、その仕事を担当し成し遂げることが能力開発につながるようにしていくということである。
このように仕事を進める過程を人材育成の機会としてとらえ工夫し、活用するということは、職場研修と密接に関係することがらである。このことはこれまであまり意識されてこなかったが、今後は、効果的な職場研修を行うためにも、仕事の与え方で職員の意識を変え、能力を伸ばすような「人を育てる仕事の進め方」を工夫していくことが必要である。

 

(2)着眼点

 

職場研修を通じた実践的な政策形成能力の育成を図る上で留意すべき具体的なポイントとしては次のようなことが考えられる。

 

 

 

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