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職場研修のポイントは、これらのことを踏まえて、管理職者がそれぞれの職員の状況に応じ的確な指導、助言を行っていくことである。そのためには、管理職者には次のような力が求められる。

 

[管理職者に求められる力]
・その職場の職務を遂行するために職員に求められている能力の内容を的確に把握する力
・職員の現有能力を見抜く力
・職員について求められている能力と現有能力との間にギャップがあることを発見した場合にそれを埋めるための具体的な能力開発手段について的確に指示する力。

 

管理職者がこのような能力を身につけ、職場研修に適切に取り組むことができるようにするためには、職層別研修の管理職者コースに職場研修の効果的な進め方の科日を設け実施することや、職場研修を実施することを管理職者の重要な職務の一つと正式に位置づけ、人事考課の評定要素とすることなどにより管理職者を組織的に啓発していくことが必要である。
また、高い業績を上げている職場の管理者行動(システム志向のマネジメント)を観察すると、次のような特徴が見てとれる
・職場の将来の姿とそこに至る道筋を職員に対して明確に示している
・職場の運営についての戦略や構想を職員に浸透させることに力を注いでいる
・仕事や職場のしくみ作りに力を傾ける
・積極的な権限委譲を行う
・職員への積極的な情報提供を行う
・職員間の情報交流・共有化を促進する
・職務に関して職員の持っている情報を積極的に吸い上げる
・双方向コミュニケーション
・職員と一緒になって仕事をすることは相対的に少ない
・職員の失敗や誤りを学習の機会として活かすための支援的行動をとる

 

資料出所:学校法人産能大学HRDシステム開発センター「職場研修責任者研修資料」(堺市職員研修所用資料)

 

 

 

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