するとともに、職場研修に対する取り組みや成果を業績評価の加点ポイントとして位置づけていくことも有効である。 3 政策形成能力の育成
地方分権の進展に伴い、地方公共団体は、地域の実情に応じた行政を積極的に展開できるよう、地域に関する行政を主体的に担い、企画・立案、調整、実施などを一貫して処理していく役割を果たしていくこととなる。 地方公共団体がこのような役割を果たしていく上で、今後、特に重要となってくるのが職員の政策形成能力である。政策形成能力の育成については、従来職場外研修において政策科学等のまとまった知識や技術を身に付けさせる手法や自主研究グループ活動の活用が中心であったが、第1章−2−(2)で述べたように、職場研修においても工夫次第で政策形成能力などの高度な能力を、現場のニーズに即して適切に育成することができる。こうした視点から本章の1及び2においては、職場研修に求められる研修内容や職場研修の技法・手順について検討するに当たり政策形成能力の育成について配慮する必要性を強調してきたところである。 ここでは、職場研修の推進に当たり政策形成能力の育成のために留意すべき事項を検討する前提として、「政策形成能力」の内容、育成方法について整理しておくこととする。 (1)意義 1)政策目標と枠組み、仕組みづくり 政策形成能力とは、一定の目標(政策目標)を立てそれを実現するために必要な枠組み、仕組みをつくりあげる上で必要とされる能力のことである。 政策目標を立てるためにはその前提として課題を発見し、認知することが必要である。したがって、課題を発見し認知する能力が政策形成能力の要素としてまず必要となる。そのためには常に問題意識を持ってものごとを見る姿勢や、社会情勢や時代の方向を的確に
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