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(4)職場研修のツール

 

第2章において述べた現状分析のとおり、職場研修を実施するためのツールについては、職場研修マニュアル、職場研修計画書、スケジュール表などが効果的なツールと認識されているが、これは基本的に妥当な認識であって、問題はむしろこうしたツールを如何に有効に活用していくか、ツールの活用を如何に周知徹底するかということと考えられる。そのためには、これらのツールをできる限り洗練された、使いやすいものに工夫するとともに、これを管理監督者や職場研修指導者に対して確実に配布し、かつ研修等によりその活用法について周知徹底することが必要である。
また、職場研修の進行管理については、進行管理を実施している団体も少なく、あまり重視されていないものとみられる。実例が少ない中でも職場研修指導者が途中経過の記録を作成するケースが最も多いことから、今後、職場研修の進行管理を充実させていくためには、職場研修計画書や個人別の指導記録などに職場研修者が途中経過を記録し、所属長に報告する等の組織的な対応のしくみを導入することが効果的である。

 

(5)職場研修のフォローアップ

 

第2章において述べた現状分析のとおり、職場研修の効果測定、評価を実施している団体はたいへん少なく、職場研修の効果測定、評価については取り組みが進んでいないこと、フォローアップにも積極的に取り組まれていないことが問題であり、今後の課題である。
職場研修の効果測定、評価及びその結果に基づくフォローアップを今後活性化させていくためには、人事担当課の主導により管理監督者や職場研修指導者の意識改革を進めて全庁挙げての取り組みとしていくことと、効果測定、評価の方法を確立していくことが必要である。
職場研修の効果測定、評価の方法については、実例が少ない中でも職場研修を指導した職員または受けた職員にレポートを提出させる方法による例が多いが、このほか職場研修計画書や個人別の指導記録に研修効果や評価の記載欄を設けて必ず記入させることも有効であろう。また、レポート方式による場合でも計画書方式による場合でも、チェック・ポイントを対比して目標と成果の関係をわかりやすくするような工夫が必要である。さらに、管理監督者や職場研修指導者にこうした手順を徹底するためには、研修等により十分周知

 

 

 

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