第3章　職場研修の内容と技法

本章では、アンケート調査の結果を踏まえ、職場研修に求められる研修内容について述べるとともに、そうした内容の職場研修を進める上でより効果的な技法、手順について述べることとする。

1　職場研修に求められる研修内容

職場研修については、ややもすれば「上司・先輩が日常業務の中で部下を指導する」といった形だけにとらわれ実施されるといったきらいがある。しかしながら、形だけまねをしても職場研修は成功しない。以下では、第2章−3−（2）で述べたことを踏まえ、職場研修に求められる研修内容を検討する際の着眼点について述べる。

（1）基本的な着眼点

?@　職員の状況に応じた的確な指示、指導

職場研修が成功するためには、まず職場で求められている能力は何か、そうした能力を仕事を通して育成するために与えるべき仕事は何か、またそのタイミングはいつか、どのような責任を持たせるべきかといったことについて職場の上司が事前に把握した上で、個々の職員の状況に応じ的確な指示、指導を行っていくことが不可欠である。しかも、その内容は、職場内において、職務の遂行を通じて十分に経験を積み、必要な技術を身につけることができ、かつ、適切な経歴開発が実現されるものでなければならない。たとえば、部下指導についても従来の職場研修一般論ではなく、価値観の違う若年層世代の管理・指導や女性職員の育成、あるいは年輩職員の管理・指導といった個別テーマで実際的な手の打ち方まで追求することが必要である。

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