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が急務であり、それは職場研修も例外ではない。そこで、本調査研究を進めるに当たってまず職場研修の位置づけについて考え方を整理しておくこととする。

 

(1)人材育成施策の体系における職場研修の位置づけ

 

職場研修は、1(1)でもふれたように、我が国においては官民を問わず人材育成の中心的手法とされてきた。しかし、一般的には職場研修やOJTという言葉を使ってはいても一つの教育制度として確立していないことも少なくなく、ややもすれば無方針、無計画に陥りやすく、その場だけになりがちなきらいがないともいえない。さらに、集合研修のように職場と離れた場所で行われる研修が多いことから、研修という言葉をきくと、仕事とは別物であるというイメージがつきまとい、その感覚をなかなか拭えないため、職場研修を仕事とは違う何か特別のことのように感じて積極的な取り組みが行われない場合もある。
しかし、最近の、そして今後も同様と予想される厳しい行財政環境の中で、地方公共団体が限られた人員で住民の負託に応えて質の高い行政サービスを展開していくためには、職場の一人ひとりの職員の能力を最大限に活用することが不可欠である。また、行政の複雑化、多様化によって職務内容がより一層個別的、専門的になっている現状では、研修所における研修のような職場外での画一的な集合教育では効果が出にくい面もあることが指摘されているところである。
したがって、職場研修は、今後とも人材育成の中心手法となるべきものであるが、職場研修を進めるに当たっては、職場を学習の場、人を育てる場としてとらえ直し、上司、管理職者が、職場研修の目的と方法を個々の職員に応じて明確にしながら、取り組んでいくことが必要である。そして、職場研修を職務の一つとして明確に位置づけ、確実かつ効果的に実施し、成果を評価し、効果が上がるようにしなければならない。このことは、職場の学習的風土づくり、仕事を管理し業務を運営していく過程を工夫して人材育成の機会として活用すること、系統だった人材育成の確立にも密接に関連してくることである。その意味で、人材育成のキーパーソンである管理職者が十分な認識を持って職場研修に取り組むことが重要である。

 

 

 

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