第1章 地方公共団体における職場研修の意義・位置づけ
本章では、地方公共団体における職場研修の推進方策について検討するに当たりその前提として、職場研修の意義、職場研修の位置づけ(人材育成施策の体系における職場研修の位置づけ、地方公共団体におけるこれまでの取り組みと今後の展望)等の事項について、整理、検討を行う。 1 職場研修の意義
(1)職場研修の基本的意義 職場研修は、わが国では各業務を的確に遂行していくに当たり必要とされる基本的ないし固有の知識・技術、ノウハウを習得させる上で最も効果的な手法として、官民を問わず人材育成の中心的手法とされてきた。しかし、職場研修の定義は論者によって多様である。ここでは地方公共団体における職場研修について述べるに当たり、本稿における職場研修を定義する前提として、職場研修の意義について従来論じられている例を参照しながら、職場研修の基本的意義について整理することとする。 職場研修は、一般に「O.J.T」といわれることも多いが、その使い方には次のような例がある。 ・Onthe Job Trainingの頭文字をとった略称であり、一般に「職場内教育」といわれ、仕事をしながらの教育訓練を指す ・職場で仕事を行う過程で、上司(管理・監督者など)が、部下(個人及び集団)の育成必要点を見出し、それに対するいっさいの指導・援助活動を行うこと ・仕事の場での自然の機会を意識的に活用して行う部下の指導・育成のこと ・上司(や先輩)が、部下(や後輩)に対して、職場生活や仕事に必要な知識や技能あるいは態度を身につけさせるために行う意図的な努力のこと
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