ある職員の人材育成、能力開発に取り組んでいくことが必要である。 (2)調査研究の趣旨・目的 地方分権の進展に伴い、事務や権限が都道府県や市町村に委譲されていくという状況の下で、地方公共団体が自らの創意に基づき様々な課題に的確に対応していくためには、地方公共団体の政策形成能力の向上等を図る必要があり、このためには、(1)で述べたように職員の資質の向上を図ることが極めて重要である。 そして、住民ニーズの変化に即応した政策形成能力や新たな時代の流れに対応できる創造的能力を有する意欲ある人材を育成するためには、明確な研修目標のもと、職場研修及び職場外研修を効果的かつ計画的に行っていくことを含め、人材育成に関する基本方針を策定し、自己啓発の支援や人を育てる職場環境づくりなどの総合的な取り組みを展開していく必要がある。地方公共団体においては、このように職員に対する研修の充実や自己啓発の促進等によって、実務能力や政策形成能力をはじめとする職員の能力の開発や職員の意識改革、意欲の向上等に努めてきているところである。 しかしながら、特に市町村においては、職員の人手が不足していること、研修施設が十分でないこと、予算が少ないこと等、時間的、財政的制約等から職場外研修については必ずしも十分な実施ができにくい状況にある。他方、今後、地方分権を推進していくためには、基礎的な地方公共団体である市町村職員の能力開発は重要な課題である。 このような中にあって、職場研修は、日常的に職場内において職務を通じて行われる研修であり、特別な経費を必要とせず全ての職員が受けることができ、さらに、職員個人の特性に応じたきめ細かい指導も可能であることから、特に市町村職員の人材育成面で重要な役割を果たすことが期待される。したがって、今後、職場研修を人材育成の中核の一つに位置づけ、より実効ある職場研修を実践し、的確な事務処理能力と課題の発見・解決能力等を備えた有能な職員を育てていくことが重要である。 こうしたことから、本調査研究は、今後、地方公共団体が職場研修を導入し、実施していくに当たって指針となる職場研修のマニュアルの作成等を検討するに際し、その参考を提供することができるよう、所要の調査研究を行うものである。
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