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?. メコン川流域の小学校児童および住民の疫学調査

(血清検査及び糞便検査)
概要
1995年5月に実施した検査において高いELISA値を示した児童について血清、糞便を採取し、ELISAおよび虫卵検査を行った。また今回、住血吸虫症未治療地域であるBan Nadiに赴き住民の糞便検査を行い、メコン住血吸虫虫卵陽性であった2名の血清を採取し、ELISAに供した。
調査場所Champasak Provinceにおける調査は1996年4月30日から5月7日にかけてメコン住血吸虫症の流行地であるコーン島から、その約120?上流までの高および川辺の村で行った。調査を行った村落の名称と位置を図2に示した。Don Dengについては前回の検査で陽性者が少なく、著しく高いELISA値を示すものもいなかったので今回は調査を行わなかった。
方法
・酵素抗体法(ELISA):注射器にて静脈採血後、遠心して血清を採取した。防腐剤としてNaN3を加えて日本に持ちかえった。濁協医科大学で日本住血吸虫(山梨株)の虫卵抽出抗原を用いたELISAを実施した。
・糞便検査:小学生学童については、Fomalin−detergent法により検査試料を調製し、タイ国・マヒドン大学において検鏡を行った。Ban Nadiの住民については直接塗沫法により現地にて検査を行った。
結果
表1〜9にELISAと糞便検査の結果を示した。学年・年齢については前回(1995年)のリストのデータを用いた。ELISAについては前回の結果(95ELISA)も並記した。
<血清検査>
学童からの採血は95ELISA(採血濾紙抽出血清、1:300希釈)の結果が原則として0.4以上の高い値を示した者を対象として行った。合計31名の学童から静脈血採血をし、血清(1:200希釈)を得、ELISAを行った(96ELISA)。図3に95ELISAと96ELISAの結果の散布図を示した。抗体価が陰転したものは3例であった(陽性限界=0.2)。
Ban Nadiの住民30名の糞便検査を行い、メコン住血吸虫卵の検出された2名について血

 

 

 

 

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