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?. ミンドロ島における中間宿主貝生息地の調査・分布図完成とパソコンによるスポット衛星画像解析

二瓶直子
松田肇
はじめに
1994年来現地スタッフとともに松田・二瓶がミンドロ島のOncomelania quadrasi生息地の位置(経緯度)をGPSで測定して来たが、本年度で全ての生息地48ヶ所を調査し、分布図を完成することができた。本年7月下旬から8月上旬にかけて台風等の集中豪雨で氾濫したり、排水不良で水田・道路が湛水し、7月29日から8月2日の調査期間には生息地まで到達できないところもあったが、松田の8月中旬の再調査で位置の測定を終了することができた。昨年度と同様、経緯度測定と同時に、生息地の地形、土地利用、土壌、水寺の地理的条件を調査した。本症がどのようにして成立しているか(地理病理的複合)の地域差の解明は撲滅のために有効であり、その基礎として今年度は貝の生息地と集落(住居)との位置関係を考慮した。
我々は日本住血吸虫症、特に生息地の調査にスポット衛星画像(フォールスカラー)写真(1994年に購入)を導入しているが、今年度はパソコン入力して現地に携行した。
【方法】
1. O. quadrasi生息地の位置の確定
昨年と同様、経緯度の測定は、ポケットGPSエンジン(Trimple Navigation社)で車の助手席の窓から連続的に行った。この値をブランドンコンパスによる簡易測量や現地調査で補正し、フィリピンNational Mapping & Information Authority(NRIA)発行1:50,000地形図Naujan図幅およびPniamalayan図幅上に図化した。
2. 生息環境調査
昨年の方法に準じて、地形条件については1:50,000地形図を基本とし、平成3年度報告書に示した地形区分図や既往資料を参考に現地調査で検討した。土壌については土色は現地で標準土色帳で、土性は指間法による現地土性で、化学的性質は簡易土壌養分検定器(Dr. ソイル、藤原製作所)で測定した。土壌および水のpHは土壌挿入式pHメーター(藤原製作所)で現地で測定した。水のCODはキット(和光純薬-WAK)、全硬度はドロップテスト(同)によった。

 

 

 

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